お留守番23

オレ、柿だぜ。
花柄のベッドが、似合わないの、オレ知ってる。
でも、かーちゃんが、「ギャップがいいんだよ」って言ってた。
かーちゃんは、白髪の鬼太郎みたいになったからって、
さんぱつに行ったぞ。

オレ、鬼太郎ってよく知らないけど、「妖怪」なの?
確かに、かーちゃん、「妖怪」みたいだったぜ。
髪だけじゃなくて、顔も「妖怪」みたいなんだぜ。
すごいだろ、うちのかーちゃん。

かーちゃん、ぱそこんの前にいるか、編み物してるか、本読んでるか、
あと、寝てばかりいるから、オレとあんまり遊んでくれねえんだ。
だから、デブなんだって、しましまの兄ちゃんが言ってた。
しましまの兄ちゃんは、結構いろいろ知ってんだぜ。
毛糸の隠し場所も知ってて、いっつも運んでくるんだ。
オレも運びてえな。

兄ちゃんたちか?
兄ちゃんたちは、寝てるぜ。
あっちで。

しましまの兄ちゃんだけに見えるけど、
こころの目でみたら、茶色い兄ちゃんも見えるよ。
よーく、見てみて。

ほら、見えた。
茶色い兄ちゃんは、いっつもしましまの兄ちゃんに、のっかられてて、
オレ、すげー愛を感じるぜ。

おまえが言うなぷ。

また、怒られたぜ。
でも、あんなでっかい兄ちゃんを受け止める、
茶色い兄ちゃんて、すげえ。
オレも、そんな大きなおとなになりたいぜ。

みんなは、どんなおとなになりたい?
もう、おとなのヒトは、ひなたぼっこしてもいいよ。
じゃ、またなー。